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TOEICのPart7攻略法―長文問題を時間内に解くためのコツとトレーニング


TOEICの最後のパートである長文読解Part7は問題数も多く、時間内に解き終わるにはコツを押さえることが重要です。

例えば、長文や設問を読み進める順序と、重点的に見るべきポイントを知ればスコアアップが期待できます。また、速読スキルを身に付けるのも効果的です。速読ができれば、時間にも心にも余裕ができ、落ち着いて正答を導き出せる可能性が高くなります。

ここでは、Part7を解くコツと、速読を含めた効果的なトレーニング法を紹介します。

 TOEIC Part7の概要

TOEICのリーディングセクションはPart5(30問)、Part6(16問)、Part7(54問)の全100問からなり、制限時間は75分です。なかでもPart7は試験全体の最後にあたり、長文読解問題で全15題、以下の3種類で構成されています。

  • 1つの文書(シングルパッセージ):10題(1題につき2~4問)
  • 2つの文書(ダブルパッセージ):2題(1題につき5問)
  • 3つの文書(トリプルパッセージ):3題(1題につき5問)

1題につき設問は2~5問です。文書の内容は記事や広告、報告書などで、複数パッセージではクライアントとのメールのやりとり、顧客からのクレーム対応などが、実践に近い形式で出題されます。

多くの受験者が制限時間内に全問解けず、適当にマークシートを塗りつぶす状態で終わってしまう、時間との戦いにもなりやすいパートです。

 TOEIC Part7の読み方・解き方とコツ

TOEICのPart7を解くには、基本の英語力を身に付けることにも増して、読み方・解き方のコツをつかむことが重要となります。文書全体を細かく読み込んで理解するよりも、概要と重要な部分を把握しながら素早く正答を見つけ、より多くの設問に取り組むことが大事です。時間配分も含め、効率良く解き進めるコツを押さえましょう。

 

時間配分を意識する

 

リーディングセクション(全100問/75分)で全問を解き切るには、一般的に下記の時間配分が望ましいとされています。

  • Part 5(短文穴埋め問題:30問) 10分以内
  • Part 6(長文穴埋め問題:4題・16問) 10分以内
  • Part 7(長文読解問題:15題・54問) 55分以内

つまり、Part7にかけられる時間は1問につき約1分です。

必ずしも上記の時間配分にしたがう必要はありませんが、Part7により多くの時間を割り当てられるよう、Part5とPart6の穴埋め問題をなるべく速く解くのが理想的です。Part7の長文読解問題では、目標スコア達成のための戦略やそれに応じた読み方を決めることが大事です。以下に挙げるような読み方と解き方を習得して、スコアの最大化と目標スコアの達成を図りましょう。

 

長文のテーマをチェックする

 

まず、長文読解問題の長文を読む前に、冒頭の設問番号の部分、例えば“Questions 139 – 142 refer to the following ~”の~部分や、パッセージの見た目から、何に関する文章なのかを瞬間的に把握します。よくあるのは、e-mail(電子メール)、letter(手紙)、memo(メモ)、text message(テキストメッセージ)、online chat discussion(チャット)、article(記事)、Web page(ウェブページ)などです。特に、複数の文章からなるダブルパッセージやトリプルパッセージの問題は、数秒で各々のパッセージの関係性もある程度見極められるよう、慣れておくことが大切です。例えば、トリプルパッセージで、1.advertisement(求人広告)⇒2.Online form(申込フォーム)⇒3.letter(推薦状)という流れだと分かれば、全体像から個別の内容もイメージして読みやすくなります。

この関係性の把握については、公式問題集や参考書で多くの複数パッセージの問題を解き、さまざまなパターンを経験しておくことが肝心です。なお、シングルパッセージでも同様に、メール(送信者、受信者、件名や内容など)、チャット(登場人物)、ウェブ記事などの形式に慣れておくとよいでしょう。

 

問題のタイプを把握する

 

長文のテーマが分かったら、問題の英文を読み始める前に最初の設問(設問1)だけを見て、どのようなタイプの問題なのかを見抜きましょう。問題の種類は下記の3種類に分けられます。

  • 全体の大意や文脈から解く問題(文脈問題)
  • ピンポイントに答えやヒントを探して解く問題(ピンポイント問題)
  • 複数の情報、条件、常識などから解釈/類推して解く問題(解釈問題)


問題のタイプを把握できれば、探すべき内容や情報が分かり、目的を明確にして読むことが可能です。このとき、設問2以降は、よほど記憶力のある人以外は長文を読んでいるうちに忘れてしまうため、設問1のみを読むのが無難です。なお、4つの選択肢のうち3つは誤った情報なので、始めからすべての選択肢を読む必要はありません。

 

設問1を解いてから設問2へ 上から順に取りかかる

 

TOEICの長文は、設問の答えやヒントが長文の文章の上から順に出てくる可能性が高いと言われています。そのため、全体概要をつかむのと同時に、設問1の答えやヒントがないかどうかを気にしながら、上から読み進めるのがお薦めです。

脳にその意識があると、読んでいるうちにフラグが立ち、答えやヒントとなる情報が見つかりやすくなります。見つけたと思ったら、設問1とその選択肢を見て解答を選びましょう。概要/文脈問題やピンポイント問題はこの方法で比較的解きやすくなります。

設問1を解いたら、次に設問2のみを読んで、問題のタイプと把握すべき内容をつかみます。既に読んだ部分の続きから再び長文を読み始め、設問1と同様に概要をつかみながら答えやヒントを見つけるよう意識して読み進めます。

設問2の答えやヒントを見つけたと思ったら、設問2の選択肢を読んで解答後、設問3に移ります。基本的には、順次この手順を繰返しながら解き進めましょう。

ただし、難しい問題や苦手な問題、時間のかかる「NOT問題」などは、無視して次の設問に進むのも一手でしょう。NOT問題とは、設問文に大文字のNOTが含まれる設問のことです。4つの選択肢のうち長文の内容と合致するものが3つあるので一つひとつを照合し、当てはまらない選択肢を消去法で選んで解答するタイプの設問です。

ピンポイント問題のNOT問題は照合箇所が狭い範囲に特定され比較的解きやすいものの、文脈/解釈問題のNOT問題(What is NOT indicated/suggested about ~?)は確認範囲が広く、解くのに時間を要します。自分の目標スコアや解答戦略によっては解答を放棄する、もしくは時間に余裕がある場合のみに解くとしてもいいでしょう。

なお、時間がないときは語彙(ごい)問題を先に解く手もあります。単語の意味さえ知っていれば、その前後を読むだけで解ける可能性のある設問なので、比較的速く解くことができます。

 

 TOEIC Part7攻略に対する速読の考え方とは

語彙力や文法力といった基礎的な英語力がある人は、自分の読むスピードや目標スコアに合った読み方と解き方のスタンス/戦略を決めましょう。それを実践に移せるようにトレーニングし、身に付けることが大事です。

長文読解問題を時間内に解く、テストで良い点を取るという目的のもとでは、大きく分けて「ざっくり速読派」「じっくり精読派」の2つの戦略があります。

どちらの戦略をとるべきか、その向き不向きについて見てみましょう。

 

【戦略1】ざっくり速読派

 

次に挙げるような人は、速読スキルを身に付けたうえで、そのスキルをTOEIC長文読解にも応用するのがお薦めです。

  • テクニックの限界を感じている人
  • 読むのが遅いことが原因で、後半の解答時間がなくなり、解き残したり適当に解答したりしてしまう人
  • テクニックとスピードの良いバランスで読みながら、全問またはより多くの設問に解答し、正答数を増やしたい人


速読では、全ての詳細を一語一句じっくり把握するのではなく、Skimming(概要理解の読み方)やScanning(答えやヒントなどの特定の情報を探す読み方)など、読む目的に応じて必要な情報をざっくり掴んでいく効率的な読み方をすることが重要です。適切な速読トレーニングをすれば、WPM(1分間当たりに読んだ単語数)=400~500以上に速読力を高められます。

ただ、とにかく何でも速く読むというのではなく、実際にTOEIC試験でPart7の長文問題を解くときは、適切な速読トレーニングを重ねた人の場合は、WPM=200~300以上に速度を落として、精読レベルの理解で落ち着いてSkimmingやScanningの読み方をしてもいいのです。それでも十分間に合って、楽に読んで解答できるでしょう。時間と心に余裕を持って、正答率を保ちながら、より多くの問題を解けるようになります。

WPMのイメージが湧かない人は、「WPMとは?英語の読解スピードの指標‐測り方や数値を上げる方法」をご覧ください。

 

【戦略2】じっくり精読派

 

速読スキルを習得していない次のような人は、慣れないTOEIC英文の速読を自己流でしようとせず、自分のペースでじっくり精読するほうが確実でしょう。自分に合ったスピード感でしっかり読んだうえで、効率的に解く解法テクニックを勉強して正答率を上げ、スコアアップを図る戦略のほうがよい場合もあります。

  • TOEIC500点未満で英語力向上の余地が大きい人
  • 英語力が高くても、長文を頭のなかで音読したり、一字一句を目で追って和訳したりするため読むのが遅く、じっくり精読しないと不安な人


無理に意識的に速く読もうとすると目や脳が追い付かず、かえって理解度が下がり正答率も低下するおそれがあります。自己流で速読しながらTOEICの長文を読むのは逆効果となりえます。

速読力はなくても、英語力と解法テクニックなどの勉強次第で600~800点以上は十分に狙えます。読解力、語彙力、文法力といった英語力が極めて高く、TOEICの問題傾向や解法に慣れている人であれば、900点以上の高得点も実現可能です。

ただし、どんなに頑張っても、読む速度が遅いことが妨げとなって限界を感じている人も少なくありません。リスニングがほぼ満点なのに、リーディングがリスニングに比べて80~100点以上も低いという人も少なくないです。そのような人は、正しい速読トレーニングを積み重ねてざっくり速読派の読み方に変えれば、さらなるスコアアップを目指せます。

以上のように、速読トレーニングをした上での「ざっくり速読派」、速読トレーニングをしない「じっくり精読派」、どちらの戦略がいいのか自身に合うスタンスを考えてみましょう。

 

 TOEIC Part7でスコアアップするための勉強法

Part7の勉強を集中的に行う際には、現状の自分のレベルを把握して、基本語彙力や文法力を習得することに加え、公式問題集や参考書を用いて実践問題を繰り返すことが必須です。また、TOEIC長文問題の攻略に不可欠な、SkimmingやScanningという読み方のスキルを習得するためには、専門的な速読トレーニングも効果的です。

まずは現時点での自分のレベルを確認するところから始めましょう。

 

1.Part7における自分の現状を知る

 
  • 読解に要する時間
  • 時間内の解答数
  • 正答率
  • 得意および苦手な問題のタイプ

 

2.必要な語彙力(基本+TOEIC頻出)と文法力を身に付ける

 

基本語彙力のある人は、TOEIC目標点ごとの頻出単語集を使用し、TOEICに必要な語彙力をさらに高めてもいいでしょう。ただ、英単語と日本語を対にして単純記憶で覚えると、すぐに忘れたり、文章中に出ても意味が出てきにくいので、文や文脈の中での語彙の意味や使い方をイメージしながら覚えましょう。

公式問題集を少なくとも2~3回以上繰り返して読んで解き、試験に出やすい語彙に注目して覚える方法も役立ちます。文法についても、学校英語のような基礎文法知識だけでなく、多くの良質な文章に触れて、その法則性(=文法)を肌感覚で覚えるのが理想です。

語彙力や文法力を身に付けるコツは、「英語長文読解に自信を持って挑むための勉強法―時間内に正解を導き出すコツは」もご参照ください。

 

3.時間管理および問題パターンを意識しながら解き方を練習する

 

時間管理(1問≒1分が目安)をしながら、前項「TOEIC Part7の解き方とコツ」で説明した効率的な読み方と解き方の習得を目指しましょう。目標点に到達するためのトレーニングを繰り返し、自分なりの読み方と解き方のスタンスを確立することが肝心です。

公式問題集や参考書などを用いて、解法テクニックを何度も練習してください。問題付きの参考書としては『TOEIC(R) L&Rテスト 直前の技術』(共著 ロバート・ヒルキ、ヒロ前田、相澤俊幸/アルク出版)や『TOEIC L&R テスト 究極のゼミ Part 7』(ヒロ前田/アルク出版)をお薦めします。『直前の技術』のほうは、Part 7部分だけで66ページしかないですが10個の解法テクニックが紹介され重要な基礎を手っ取り早く押さえるのにいいです。『究極のゼミ Part7』のほうは約400ページにわたって問題の解説だけでなく問題形式ごとの効率的な解き方も詳細に紹介され、より本格的に対策するのにお薦めです。

 

4.速読トレーニングも効果的である

 

文脈問題、ピンポイント問題、解釈問題の3種類の問題タイプごとの、SkimmingやScanningといった効率的な読み方の練習を積み重ねます。不得意な問題パターンが分かったら、その対策を重点的に繰り返しましょう。

特に長文はパッセージが長いため「木(単語や文法)を見て森(全体内容)を見ず」に陥りやすいもの。時間がなくて焦り始めると、さらにその傾向が高まるため、状況、文脈、情景など大意をイメージしながら読むSkimmingのスキルが大切となります。

このSkimmingとScanningを鍛える方法として有効なのが、速読トレーニングです。

実は、TOEICを知り尽くしてリーディングセクションの解法テクニックや勘所を身に付けた人が、WPM=500~1,000以上の高度な速読力を身に付けて試験に臨み、時間を30分も余らせて全問正解できたケースもあります。同じ満点でも、速読力のある人は、速読力のない人に比べて解くスピードが断然に違うのです。

なお、速読のスキル(英語&日本語)はTOEIC対策以外の目的にも役立ちます。仕事の生産性や学びの効率性を上げる強い武器となるでしょう。

詳しい速読トレーニングの方法については「英語速読力を高める効果的なトレーニング法―読まずにイメージで捉えるには?」をご参照ください。

 

 速読を活用してPart7を攻略し、TOEICスコアアップを目指そう

TOEICの長文読解Part7に挑むには、頻出する語彙や文法を習得し、問題タイプを見極めること、また時間を管理しながら解き進めるコツを押さえることが基本となります。すべての問題を解いてスコアアップを目指したいのであれば、速読トレーニングが有効です。ただし、誤った自己流トレーニングでは逆効果となるおそれがあります。

Max Reading(英語脳トレジム/英語速読)では、英語速読を身に付けるための実践的なレッスンを行っています。ジムやヨガ感覚でトレーニングを行うので、楽しく速読のコツを習得することができます。

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