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英語脳を作るには?今すぐ取り組めるトレーニング法を紹介


日本人は英語に触れる際、日本語に置き換えながら考える傾向にあります。しかし、日本語と英語は異なる構造の言語であり、日本語に変換することは効率的ではありません。それどころか、英語理解が妨げられるおそれもあるのです。

そこで注目したいのが「英語脳」です。適切なトレーニングを積んでいけば、誰でも英語脳を作ることが可能です。ここでは、英語脳とは何かを考察したうえで、英語脳を作るための具体的な方法をお伝えします。

 

 英語脳とは?

英語脳とは「日本語を介さず英語から直接、意味をイメージすること」だと、 Max Reading(英語脳トレジム/英語速読)では認識しています。

そもそも言語に限らず、人間はイメージを通じて物事を理解します。イメージとは、経験や知識の蓄積から思い出す・想像する・関連付けるなどして脳内に思い浮かべる像や情景です。

英語脳についてもう少し掘り下げてみましょう。

インプットにおける英語脳とは、「見た」「聞いた」英語が直接自分自身の経験や知識と瞬間的につながり(ピンときて)、日本語を介さずに理解・認識できる脳の使い方です。

一方、アウトプットにおける英語脳とは、伝えたいことに関する自分の脳内イメージから、日本語を介さず、直接英語が出てくる脳の使い方です。

実際、日本語と英語のバイリンガルの人が、それぞれの言語を聞くときに使用している脳の部分(言語野)は異なるということは、科学的にも証明されています。

文法を介して和訳や英訳を行う学校教育の名残から、日本人には、英語を和訳して日本語で理解したり、日本語から英訳して英文を組み立てたりする癖のある人が多くいます。しかし、日本語と英語は語順が異なるため、語順を組み換えながら訳していくのは非常に効率の悪いやり方です。

英語力を向上させるためには英語脳を作り、日本語と英語をいつでも切り替えられる状態にしておくのが理想的です。

 

 英語脳を作るメリットとは

英語脳を持つことによって、どのようなメリットが得られるのでしょうか。

英語と日本語は文字や語順、語彙(ごい)の成り立ちなども違うため、両言語間の回路のできた熟練した同時通訳者でない限り、英語から日本語への変換を瞬間的に行うことは難しく、時間がかかります。しかし、英語脳を作り英語で直接インプットできれば、日本語に置き換える和訳のプロセスがなくなるため理解が速くなるのです。

また、日本語を介さずイメージで理解できれば、経験や知識など、すでに自分のなかにあるものとの関連で頭に入るため、理解もいっそう深まります。日本人が日本語をすぐに理解できるのは、日本語から直接イメージが湧くからです。同様に、英語脳では英語から瞬間的にイメージが湧くため、理解が速くなり実用的な英語力を身に付けやすくなります。

アウトプットにおいても同じです。イメージから直接英語を組み立てることで、日本語を介する余計な時間が省けて、会話をよりスムーズに楽しむことができます。

 

 英語脳を作るために重要なこととは

英語脳を作るための重要な要素をインプットとアウトプットに分けて見ていきます。

    • インプット

インプットで肝心なのは、和訳しないことです。単語ごとに訳し、それを文法に当てはめて文全体を訳して理解するといった直訳のプロセスを省きましょう。一生懸命聞いたり読もうとしたりして100%理解しようとせず、力を抜いて70%程度の理解で十分という気楽な感覚を大切にしてください。広い意味の塊で大体のイメージをつかみ、文脈や情景を「こんな感じ」という程度に捉えられれば、英語でのインプットができていることになります。訓練によって、理解のスピードや精度をさらに高めることも可能です。

    • アウトプット

アウトプットも同様に、先に日本語で考えてから英訳するという工程をなくしましょう。特に、一つひとつの単語を英語に変換し、それを文法に当てはめながら文全体を組み立てるという作文方法(直訳)は効率的ではありません。実用的な会話などのコミュニケーションでは意訳のほうがベターなことが多いですが、意訳でも、訳しやすい易しい日本語に変換して、その日本語を一語一句文法に当てはめる英訳の作業は、やはり非効率な部分があります。伝えたいことのイメージが直接伝わる英語が、日本語を介さず即座に出てくることが大切です。ただし、それは簡単にできることではないため、段階的に正しいトレーニングを積み重ねる必要があります。

 

 英語脳を作るためのトレーニング方法とは

トレーニングでは、最初にイメージによるインプットを習得します。イメージによるインプットを鍛えて慣れてきたところで、イメージからのアウトプットへと移りましょう。

インプットのトレーニング法

 

まず、より多くの英語を効率よく自分のなかに取り入れていきます。

▶ 多読:
イメージでインプットするための最適な訓練手段は、何度も繰り返し読むことです。自分の英語力よりも難易度が低めの本や記事、文章を、文脈や情景をイメージしながらたくさん読むようにしましょう。
▶ 映画やニュース、動画サイトの視聴:
ビジュアルイメージや音声と一緒に英語に触れることも効果的です。リスニングが苦手な人は、1回目は英語字幕付きで視聴するといいでしょう。一度、日本語字幕で見て理解したものを、英語字幕を付けるか英語音声のみで視聴して、イメージで思い出しながら見るのもよい方法です。
英英辞典の活用:

知らない英単語は、英語で理解する習慣をつけましょう。英英辞典を持っていなくても、インターネット上で調べることが可能です。検索窓に知りたい英単語や英語表現に続けて、“meaning”もしくは“definition”と入力すると、英語で定義が出てきます。それを読み、意味やニュアンスを想像するとよいでしょう。

なお、インターネット検索する検索エンジンによって表示される内容は異なります。以下の例は、執筆時点でGoogle検索を行った場合のものです。

例1)近年、新型コロナウイルスなどの感染症に関する記事でよく使われる“variant”の意味を調べてみます。

“variant meaning”で検索した際、検索結果一覧画面で以下の意味が記載されています。(Oxford Languagesの定義より)
→ noun: a form or version of something that differs in some respect from other forms of the same thing or from a standard.

この説明文のすぐ下には“clinically distinct variants of malaria”が使用例として記載されており、変異ウイルスのことを指しているのだと想像できます。

また、vary(異なる)、various(さまざまな)、variety(バラエティー)、variation(バリエーション)、variable(変わり得る、変数)などのいずれかの単語を知っている人、さらに接尾語(suffix)のant/entがapplicant(応募者)やcoolant(冷却剤)などのように「~する人や物」という意味になりそうだと勘のいい人は、語源のパーツのイメージや文脈からさらに容易に想像できるでしょう。したがって、関連する他の品詞なども覚えておくと、語感も身に付いていいです。

 

例2)動詞表現“let 人 in on ~”の意味を調べてみます。

“let someone in on something definition”で検索した際、検索結果一覧画面で以下の意味が記載されています。(merriam-websterより)
→:to allow (someone) to know (a secret)

He said he’d let me in on a secret if I promised not to tell anyone else.
意味の後に例文も一緒に出てきて、「秘密を明かす/打ち明ける」意味だと推測でき、使用場面や使い方も想像できます。

このとき、“let 人 in on ~”=「秘密を明かす」と英語と日本語を対にして覚えるのではなく、例文ごとにその場面を想像しながら覚えるようにします。これが、英語表現や英文法を感覚的に身に付けるコツです。

イメージ(画像)検索の活用:

英単語や英語表現を検索ワードとし、画像で検索結果を見る方法もあります。画像で頭にインプットすることで、イメージとして頭に残りやすくおすすめです。

例)“water cooler talk”で検索した結果

 →意味の説明とともにウォータークーラーを囲んで話す人たちの画像が出てくるので、イメージがしやすくなります。

イメージ(画像)検索

▶ 速読トレーニング:

右脳を使う速読トレーニングは、英語脳を作るうえで、リスニングを含むインプットの最適なトレーニングとなります。右脳の力を引き出して駆使することで、無意識のうちに感覚的に英語が入るようになります。頭のなかで和訳する癖がなくなり、イメージ理解が促進されることも期待できるでしょう。英語自体を読む効率も高めるため、多読や英語字幕など、既出のトレーニングとの相乗効果も見込めます。

右脳を用いた速読トレーニングの効果については、「右脳を活用した英語速読の効果とは」もご参照ください。

▶  速読+聞き読み+速聴の相乗効果トレーニング:

先の速読トレーニングだけでもリスニング時のイメージ理解にも有効ですが、さらに「聞き読み」と「速聴」を組み合わせたトレーニングをすると、さらなるリスニング力の向上に有効です。「聞き読み」とは、CDやMP3などで英語の音声を聞きながら、その英語スクリプトを見ていくというトレーニングです。

一般の人が「聞き読み」をすると、英語の音声どおりに一字一句を目で追いかけますが、「目で広く捉える」×「脳でイメージとして理解する」の速読トレーニングをした人は、英語の音声スピードより速く、広いスパンで目線移動しようとするので、音声が遅く感じられます。遅く感じられたら、次に音声を2~3倍の速さで再生し「速聴」しますが、それでも目線と脳の理解はついていきます。そして、次第に速い音声にも耳も脳も慣れて、リスニングのインプットにおいても、脳が楽にイメージできるようになります。

 英語脳を作るためのトレーニング方法とは

アウトプットのトレーニング法

イメージによるインプットに慣れてきたら、イメージからのアウトプットを練習しましょう。

なりきり音読:

英語の本や記事の文章を、文脈や情景をイメージしながら気持ちを込めて発音し、それを何度も繰り返します。すでに一度読んだ本で行うとさらにイメージが湧きやすく、復習による記憶定着効果もあってよいでしょう。

CDやMP3などのオーディオブックで英語を聴きながら同時にその英文スクリプトを見ながら音読する、「シンクロリーディング(オーバーラッピング)」をなりきり音読で行って、ネイティブの発音を真似るのもおすすめです。イメージや感情と一緒に、口や舌を動かして英語を発音することに慣れるため、似たような状況の際に、イメージや感情から直接英文が出やすくなります。他にも、英語演劇や朗読・朗誦などの、気持ちを込めた英語の音読も効果が期待できます。

英語の個々の単語や文法を頭(左脳)で考えながらの棒読みは、効果が薄いため避けましょう。

シャドーイング:

聞こえてきた英文を即座に1~3秒遅れで復唱していく方法です。まずは、シンクロリーディング(オーバーラッピング)でなりきり音読した英文でイメージを湧かせて、瞬発的に行うと感覚をつかみやすくなります。基本的に瞬発力のトレーニングなので、最初は完璧でなくてもよく、できる範囲で発音し、繰返し行うことで上達していきます。成長の過程で、次第に意味のイメージも湧きながら、シャドーイングができるようになるとベストです。どうしても聞き取れない部分は、その英文スクリプトを見ながらなり音読するシンクロリーディング(オーバーラッピング)に立ち返って練習し、その後に再びシャドーイングを練習するといいでしょう。シャドーイングは、イメージしながらのアウトプット(特にスピーキング)の他、リスニング力の向上にも有効です。上級者は、事前にスクリプトを見ずに、聞いた英語をどんどんシャドーイングする癖をつけてもいいでしょう。

リピーティング:

全文を聞いた後で、その文を復唱します。瞬発力のシャドーイングに対し、イメージで記憶したものを想起する力も必要となるため、シャドーイングより難易度が高いトレーニングです。リピーティングを何度も行うことで文脈や場面に合致した英語を文章として覚えられるため、現実の場面でも英文が出てくるようになります。

ディクテーション:

音声とスクリプトの両方がある教材を使用し、聞こえてきた英文を原則1文ずつ書き写していき、スクリプトと照らし合わせて確認します。最終的に正確に書き写す必要があるので、文の構造・語順・活用変化といった文法や正しい表現を確認でき、リスニングや英会話だけでなく、「書く」訓練としても効果的です。最初は、一度で完璧にできなくても、聞き取れる部分から書き取り、繰返し聞きながら完成形に近づけていくといいでしょう。

英語で日記を書く/SNSで発信する:

自分の日常という、イメージしやすい内容や考えなどを日々英語で表現することは、英語に慣れる訓練としても有意義です。よい英文や英語表現を真似て使う、英作文ならぬ「英借文」を行えば、文脈や場面に合った英語も学べます。

以上のように、たくさんの英文や英語表現をイメージで取り入れるインプットと、イメージから伝えたい内容を作り出すアウトプットは、イメージを介してつながっています。

インプット(「読む」「聞く」)⇔【イメージ】⇔アウトプット(「話す」「書く」)

イメージを通じてインプットとアウトプットのトレーニングを繰り返すことで、さらに英語脳が活性化するのです。

右脳の潜在能力を引き出すMax Readingの速読トレーニングは、上記のいずれのトレーニングとも相乗効果が見込め、イメージで捉える力も高められます。速読による質のよいインプットを繰り返せばアクティブな記憶が刺激され、アウトプットもしやすくなるのです。

 

 速読トレーニングも効果的!英語脳を作って英語をイメージで理解しよう

英語の4技能には相互関係があり、「読む」「聞く」は「話す」「書く」とつながっています。英語脳を作るためには、日本語ではなくイメージを介して英語をインプット&アウトプットするというトレーニングを繰り返し行うことが大切です。

例えば英語の本を読んだり映画を見たりして、英語を多く自分のなかに取り入れることが効果的です。速読力を鍛えるトレーニングと合わせて行えば、相乗効果も得られます。オンライン英会話のような一般的な会話レッスンだけを漠然と継続するだけでは、英語力は伸びにくいものです。上述したように、イメージや感情もともなうインプット&アウトプットトレーニングによる相乗効果と、速読による右脳トレーニングを行えば、一般的な英会話レッスンの効果も飛躍的に高まる可能性があります。

イメージ理解を促進する、右脳を用いた速読トレーニングを体感されたい方は、Max Readingの体験セミナーにぜひご参加ください。

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