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TOEICリスニングの強化方法とスコアアップ対策


学校で英語を勉強していた頃からリスニングが特に苦手で、TOEICだとさらにできない。目標スコアを目指して精いっぱい努力しているつもりなのに、思うように伸びない。そう悩んでいる人は少なくないのではないでしょうか。それは、勉強方法が間違っているからかもしれません。TOEICのリスニング問題が聞き取れない理由やリスニングの強化方法、スコアを上げるための対策を紹介します。

 TOEICのリスニング問題が聞き取れないのは?

TOEICのリスニング問題が聞き取れない理由としては、TOEIC特有の事情もあります。また、「自分が発音できないものは聞き取れない」といわれることもあります。本当にそうなのでしょうか? 

それぞれを見ていきましょう。

リスニングが聞き取れない2つの要因

 

まず、1つ目の要因は、英語の音声そのものを認識できないことが挙げられます。学校などの教育現場や一般的な英語教材の英語は、日本人学習者向けに単語ごとに分かるようにゆっくりはっきり発音されることが多いのに対し、ネイティブの話す英語はもっと速く、リンキング/リエゾン(音の連結)、リダクション(音の脱落)、アメリカ英語のフラップT(母音にはさまれたアクセントのないtが軽く発音されDとLの中間音に)などの発音が発生します。これらは日本人にとって慣れない発音であり、音声として認識することが困難です。

2つ目の要因は、音声は認識できたとしても、脳の理解がついていかず、話された内容のイメージが湧かないことです。どちらかといえば、まったく音声が認識ができない1つ目の要因よりも、音声はある程度認識できても、脳で理解できずにイメージが湧かないこの要因のほうが多いかもしれません。そうした場合、なんとか聞き取れている間はまだいいのですが、一度ついていけなくなると、もう追いつけない状態になってしまいます。リスニングの苦手意識が強い方、ネイティブを目の前にしたテストの本番だと緊張しがちな方は、この状態になりやすいです。

TOEIC特有の事情

 

一般的な英語教材では英語のスピードが遅いのに対し、TOEICの英語はナチュラルスピード(ネイティブが普段話すのと同じ速さ)です。それに加えて、TOEICのリスニングでは、アメリカ人、イギリス人、オーストラリア人、カナダ人が話す4種類の英語が使用されています。1種類の英語の発音にしか慣れていない方は、他の種類の英語が異質に感じ、脳がついていけなくなることが多いようです。

「自分が発音できないものは聞き取れない」は誤り

 

自分が発音できないものは聞き取れないという人がいますが、そんなことはありません。確かに、発音ができるにこしたことはないでしょう。発音ができるとリスニング力が上がる傾向はあります。

しかし、発音は良くないのにリスニング力が高い人はたくさんいます。逆に、発音はできるのにリスニング力が低い人も少なくありません。また、発音といっても、アメリカ英語、イギリス英語、オーストラリア英語、インド人の英語、また人によっても発音は違いますが、ネイティブの人達は概ねすべての英語を理解しています。発音は口や舌を動かして音声を出すアウトプットのスキルの一つに対し、リスニングは音声を聞いてその意味を認識するインプットのスキルの一つなので、両者は別物なのです。リスニングでは、脳で理解することがとても大事であり、特に右脳を使って理解すると、全体イメージから意味を楽に推測できるようになります。

 TOEICリスニング力を強化させる方法とは?

TOEICに限らない部分もありますが、次のような方法がリスニング力向上に有効といえます。

一語一句完璧に聞いて理解しようとしない姿勢を心がける

 

英文を聞いて理解しようとする際、1単語ずつ理解するのではなく、意味の塊として複数単語の連なりで理解するといいでしょう。一語一句聞き取ろうとすると、全体を把握しにくくなってしまいます。

英語の意味の塊は、英語のリズムやイントネーション、ポーズでわかるので、一語一句ではなくリズムを感じることのほうが大事なのです。意味の塊として理解する姿勢により、1単語聞き取れなくても、聞き取れた全体の中から概要を把握できるようになります。

また、一つひとつの発音の違いが気になりにくくなることから、アメリカ・イギリス・オーストラリア・カナダで話される、異なる英語の単語レベルの発音差も気にならなくなるのです。

 

効果的なトレーニングを行う

 

リスニング力向上につながる次のようなトレーニングを繰り返し行います。

▶ オーバーラッピング(シンクロリーディング)
スクリプトを見ながら音声を聞き、聞くと同時に音声をまねして音読するトレーニングです。
▶ シャドーイング
スクリプトを見ずに音声を聞き、聞いたままを聞くのとほぼ同時に発音するトレーニングです。最初は正確にすることはできないので、できる範囲を再現するだけで十分です。周りに人がいる環境では、口だけ動かす「口パクシャドーイング」でもいいでしょう。
▶ 速読トレーニング+相乗効果のあるトレーニング
Max Reading(英語脳トレジム/英語速読)では、上述の方法に加えて、「速読トレーニング」と、この後紹介する相乗効果のある3つのトレーニングを行います。その結果、リスニングはもちろんのこと、英語力全般の向上に高い効果が得られます。

 

<速読トレーニング>

速読トレーニングはリーディングだけでなく、リスニングにも有効です。「目で見る」×「脳で理解する」の両方を速く高める速読トレーニングにより、耳から入った情報を「脳で理解する」リスニング速度も上がります。そうすると楽にイメージできるようになり、リスニング問題もリラックスして解くことが可能になるのです。

速読・英語速読の効果やトレーニング法について詳しくは、「速読とは?効果やメリット、習得するために必要なものなどを解説!」や「英語速読とは?日本人が速読できない原因や効果的な速読向上法を紹介」をご覧ください。

なお、TOIECリーディングに対する速読の効果については、「TOEIC リーディングを攻略!スコアが上がらない原因と対策は?」で紹介しています。

 

<速読と相乗効果のあるトレーニング1:聞き読みwith速聴>

「聞き読み」とは、音声を聞きながらそのスクリプトを目で追って理解する練習です。速読のできない人は通常、音声と一緒にスクリプトを一字一句目で追おうとします。それに対し、速読スキルを身に付けた人は、広く意味の塊をとらえた目線の移動により、脳の理解が音声より先に行こうとするため、その結果、音声が遅く感じられます。

遅く感じたら、「速聴」(音声を2~3倍の速さに再生する)で、同様のトレーニングをしましょう。速聴しても、広い目線の移動と脳の理解がついていくので違和感を覚えることはありません。耳と脳が速い音声に自然に慣れてくるので、結果としてリスニング力が強化されるのです。

速聴と音声の高低も変更可能なフリーソフトウェア「聞々ハヤえもん」のようなツールも活用するといいでしょう。

 

<速読と相乗効果のあるトレーニング2:オーバーラッピングwithなりきり音読>

スクリプトを見ながら音声を聞き、同時にまねしながら「なりきり音読」をする方法です。

なりきり音読とは、その場にいるかのようにイメージしながら気持ちを込めて音読することで、「棒読み音読」の対極にあたります。シーンのイメージや感情と一体化して発音練習することにより、現実の場面でも、伝えたいイメージの英語が自然に出やすくなり、スピーキング力の向上につながります。

 

<速読と相乗効果のあるトレーニング3:シャドーイング>

「聞き読みwith速聴」によりリスニングの精度が上がり、「なりきり音読」でスピーキングの精度も上がるため、それによりシャドーイング自体の精度が上がります。これが、さらなるリスニング力および英会話力向上へとつながるのです。

 

 TOIECリスニング問題のスコアを上げるための対策

続いて、TOIECリスニング問題のスコアを上げるための具体的な対策を紹介します。

適切な勉強方法・教材

 

下記のような教材を使って、この後紹介する「解き方」にしたがって実際に解いてみます。聞き取れなかった部分や、間違えた理由を確認しながら、練習と復習を繰り返しましょう。

また、先に紹介した「聞き読みwith速聴」、「オーバーラッピングwithなりきり音読」、「シャドーイング」などのトレーニングもあわせて行うと効果的です。

 

「スタディサプリ」には、曖昧な部分を残しにくいディクテーション、シャドーイングなどの機能が備わっています。また、スマートフォンで学習できるため「スキマ時間」を有効活用できることや、コストパフォーマンスの高さなども魅力です。

 

解き方

 

実際の試験で問題を解く際には、リスニングのパートごとの注意点を把握しておく必要があります。

<Part1・Part2>

Part1では、音声を聞く前に写真を見て、目立つ人や物、風景に着目しておきます。Part2では、冒頭の英語、特に疑問詞を聞き取ることで、答え方を絞ることが可能です。

共通して注意しておくとよい点として、「質問文中に出た単語、または似た発音の単語を含む選択肢は選ばない」というものがあります。TOEIC問題の出題者は、リスニングの苦手な受験者を誤答に誘導するため、質問文中に出た単語と同じ単語や似た発音の単語を、あえて正答ではない選択肢に含める傾向があるためです。

また、平叙文や質問でない疑問文の場合は、文の形に惑わされることなく、真の意図や会話の流れをしっかりと捉え、会話の流れとして自然な回答を選ばなくてはいけません。例えば、以下の問題では、質問文が疑問形だからといって正解が平叙文である(C)というわけではなく、見た目は疑問文である(A)が正解になります。(B)は、質問文中のmeetingの単語と似た発音のmeet youを入れたひっかけの選択肢だと思われます。

質問文:Are you driving to the client meeting?(顧客との会議には運転していくのかな?)

選択肢:(A) Oh, would you like a ride? (あっ、乗せていってもらいたい?) / (B) Nice to meet you, too.  /(C) I thought it went well.

<Part3>

Part3では設問を先読みし、男女や人数といった登場人物を確認します。会話の場合は登場人物やその関係、シーンに着目しながら聞きましょう。設問の順番と答えやヒントの順番は同じです。マークシートは最初はチェックのみにし、後でまとめて塗りつぶすほうが効率的です。

<Part4>

Part4もPart3と同様で、設問を先読みし、マークシートは後でまとめて塗りつぶす方法を取ります。Part4も設問の順番とその答えやヒントの順番は同じです。

冒頭の“Questions 〇 through 〇 refer to the following ●●”の●●に着目しましょう。例えばradio broadcastならラジオ放送、weather forecastなら天気予報、recorded messageなら留守番電話と、シーンをつかむことができます。その他、introductionやtalk、advertisementなどがあるので覚えておきましょう。

先読みの仕方

 

Part 3(会話問題)やPart4(説明文問題)は、会話や説明文の英語自体が流れ始める前に、各3問ある設問の先読みをするのが鉄則です。Part3やPart4の1問目は各パートの出だしに英語による説明が流れている間に、続く2問目以降は前問の解答後の8秒(グラフィック問題の場合は12秒)のポーズの間に読みましょう。

次の会話や説明文が流れてくる前に次の3つの設問に目を通し、何を聞き取ればいいのか目的を明確にしたうえで聞きとりに臨みます。聞いている間に設問の答えの情報が得られたらマーク欄にチェックし、3問ともチェックが終わったらまとめて塗りつぶし、次の設問の先読みをします。基本的には、以上の動作の繰り返しです。

英文を読むのが遅いと、先読み自体に時間がかかって十分に先読みができません。または、先読み自体に力が入って緊張してしまい、英語の音声も余裕を持って聞けなくなります。速読ができると、この数秒の先読みに余裕を持つことができ、会話や設問文も落ち着いて聞けるので、冷静に解答できるのです。

 

 正しく対策を講じればTOEICリスニング力の向上は可能

TOEICのリスニング問題は音声のスピードが速くて苦手という人も、今回紹介したような強化方法や対策を講じることで、スコアの向上は可能です。

また、TOEICのリスニング教材は、日常の英会話やビジネス英語の教材としても役に立つ、高いクオリティがあります。そのため、TOEICの解法テクニックだけでなく、真のリスニング力を高めるトレーニングができるのです。トレーニングの成果は、TOEICスコアだけでなく、実体としての英会話力や、ビジネス英語力の向上にも現れます。特に、速読と相乗効果のあるトレーニングをすると、いっそう効果が期待できるでしょう。

今回紹介した対策のなかでも、速読トレーニングは、自己流ではなかなか身に付きません。
Max Reading(英語脳トレジム/英語速読)では、周辺視野を含めて広く眺めながら、英文を広い目線の塊で移動するトレーニングである「チャンキング」や、呼吸法、目や体のストレッチなどを実施し、右脳の潜在能力を引き出します。また、速読トレーニングは、耳からのインプットも高速イメージ処理できる効果の他、「聞き読みwith速聴」や「シャドーイング」等のトレーニングとの相乗効果で、効率的にリスニング力を向上させます。

リスニングとの相乗効果を感じられる速読トレーニングに興味のある方は、ぜひ一度体験セミナーへご参加ください。

 

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