英語速読を身に付けたいけれど、英語のスキル自体が高くないのに、速読なんてとてもできない……そう思っている人もいるでしょう。実は、英語初級者でも速読を習得することは可能です。自動車運転やスポーツ、ダンスや楽器等の趣味を上達させるのと似ているからです。ここでは英語速読とは何か、速読できない原因となる癖や意識、効果的な速読向上法などについて紹介します。
そもそも英語速読とは?
英語速読とは、文字通り英語を速く読むことです。では、どれくらい速く読めたら、「英語速読ができる」といえるのでしょうか?
英語を読む速さの一般的な指標に、WPM(Words Per Minute=1分間当たりの読んだ単語数)があります。
読む文章によりますが、英語のネイティブスピーカーの平均WPMは、一般的に200~250といわれています。日本人の平均WPMは80~100前後で、ネイティブの約3分の1です。しかし、英語速読を身に付けることで、日本人でもネイティブの速読目標である500 WPM 以上を目指せます。そこへ到達できれば、間違いなく「英語速読ができる」といえるでしょう。
なお、WPMについては「WPMとは?英語の読解スピードの指標‐測り方や数値を上げる方法」で詳しく紹介していますので、ご参照ください。
英語速読ができるとどうなる?
英語速読を身に付けることで、日本語を介さず、イメージで英語を理解できるようになります。英語を一語一句目で追って意味を積み上げて和訳するのではなく、広く俯瞰(ふかん)して捉えます。そうすることにより、知らない単語が1割あっても「9割も知っている」と思え、知らない単語が気にならなくなるのです。全体的なイメージから意味を吸収することができ、楽に読めるようになります。また、いったんイメージが湧くと、文脈やシーンの流れからも楽にイメージの連鎖がしやすくなります。
英語速読ができることのメリット
英語速読ができるようになると、次のようなメリットがあります。
英語力が向上する
- 英語力は、英語に接する量と比例して伸びていきます。英語速読ができるようになり、英語への苦手意識が薄れることで、積極的に英語に接する機会が増えるでしょう。結果的に英語学習が習慣化し、英語力が向上するという好循環をつくり出すことができます。
- 知らない単語が気にならなくなり、難しい英語本に挑戦して少しずつレベルを上げていくこともできます。
- 文や文脈、情景やそのイメージのなかで、語彙(ごい)や用法を感覚的に覚えられるため、実用的な語彙力も向上します。
- 速読との相乗効果でリスニング力も向上します。
- インプットとアウトプットのトレーニングをバランスよく行うことで、英会話を含む英語の総合力が伸びます。
- 特にTOEICのリーディングパートの解き残しや時間が足りなくなり、マークシートを試験の終了間際に塗りつぶすといった塗り絵の解消などにつながり、TOEICスコアの向上も望めます。
その他のメリット
- 英語の総合力が伸びることで、メールや書類、論文を読む速度が上がり、仕事、各種学びや勉強、読書などの効率化を図ることができます。
- TOEFL、IELTS、GMAT、GREなどの、留学の際に必要な試験対策になります。また予習・復習の効率化が図れるため、留学をより実りあるものにすることにつながります。
- 文章を速く読むという訓練をすることで、結果的に母語である日本語の速読力も伸びる可能性があります。
英語を読むのが遅い人の特徴は?
表音文字でありアルファベットの羅列である英語は、イメージがしにくい言語です。頭のなかで音読をしたくなり、日本語と比べて速読がしにくいと考えられます。 そんななかでも、特に英語を読むのが遅い人の特徴を見ていきましょう。
次のような癖や意識があり「読む」のが苦手
- 一字一句目で追って読む
- 目が泳いでしまう、目だけが上滑りして飛んでしまう
- 頭のなかや実際に口を動かして音読する、音にしないと理解しにくい
- しっかりきっちり読まないと理解できないという意識がある
- 単語の意味を組み合わせたり、文法に当てはめたりして文の意味を理解しようとする
- 英語を和訳する、和訳しなければ理解しにくい
- 知らない単語や分からない部分があると止まる、または返り読みする
そもそも「英語」が苦手
- 速読をするうえでも前提となる、語彙(ごい)力や構文をつかむ力といった英語力が大幅に不足している、あるいは英語に苦手意識を持っている
上記のような癖や意識がある人は、英語速読を苦手に感じやすいといえます。
英語速読ができるために必要な英語力は?
英語速読をするにはかなりの英語力が必要と考えるかもしれませんが、実は英語初級者でも速読は可能です。本人の英語力に合った本や教材を選択してトレーニングすることで、英語速読に必要な目と脳の使い方のスキルを身に付けられます。英検3級、TOEIC300点程度の英語初級者から英検1級、TOEIC満点などネイティブ並みの上級者まで、それぞれの英語力に応じた速読力を身に付けることができます。
英語の速読力向上法は?
「速読とは? 効果やメリット、習得するために必要なものなどを解説!」の記事で詳しく説明しているように、速読とは、「目で見る(広く捉える)」×「脳でイメージ理解する」の掛け算です。そのため、速読力を向上させるには、目と脳の新しい使い方を覚え、慣れる体感型のトレーニングが有効です。
基本的に速読トレーニングは、自動車運転やスポーツ、楽器の演奏やダンスなどのトレーニングと同じ考え方です。正しくトレーニングをすれば、個人差はあれど、誰でもある程度のレベルまではできるようになります。速読力向上法の一例として、Max Reading(英語脳トレジム/英語速読)を紹介します。
<Max Readingにおける速読力向上法>
Max Reading(英語脳トレジム/英語速読)では、ネイティブの平均WPM(Words Per Minute)の200~250単語を大きく超える、分速500単語以上の達成を一つの目安(目標)とします。
速読では、頭の中の音読(黙読=subvocalization)の癖を直すのが大事といわれています。しかし、「頭の中で音読をしないようにしよう」と意識すればするほど、逆に音読を意識してしまい、さらに癖が直しにくくなります。
学校教育の名残から、和訳して理解する癖の人も少なくなく、この長年の癖を直すのも簡単ではありません。また、頭の中で音読したり和訳したりする癖のある人は、根底に「きっちり読まないと英語は理解できない」という潜在意識があると考えられます。
では、どうすればいいのでしょうか?
まず、「広く眺める」ことに慣れることが大切です。 目で一語一句英単語を追っていくから、アルファベットの羅列で表音文字である英語を頭の中で発音してしまう癖や、一語一句理解しようとしたり和訳する癖がとれないのです。
Max Readingにおける「チャンキング」は、まさに「広く眺める」ことを基本に置くトレーニングで、個々の木より林や森を見るトレーニングとも言えます。 まずは森や林があってその中にある重要な木も見えてくる捉え方とも言えます。
Max Readingでは、広い意味のチャンク(意味の塊)をイメージで捉えられるようなトレーニングを行います。呼吸法、ストレッチなどのリラックス法も盛り込みながら、眼筋トレーニングや各種読み方のトレーニング、視野拡大やマルチタスクなどの各種チャンキングトレーニングなどを行い、速読力の向上を目指します。
なお、英語速読を身に付けるには、「英語は目的に応じてざっくりイメージで理解できればいい」という意識転換も大事です。
英語速読のトレーニング方法やコツについては、英語速読のコツと本質のページでも詳しく解説していますのでご参照ください。
英語のレベルや自分の読む癖に応じた正しいトレーニングをしよう
英語速読は、自身の英語力に合った英語教材を選び、ステップを踏んで正しくトレーニングすれば、初級レベルの英語力の人でも身に付けることが可能です。また、スポーツなどと同様、一人ひとりの読み方の癖や成長段階に応じたトレーニングを積み重ねることで、効果的にスキルは伸びていきます。
なお、独学で速読力を習得することも不可能とはいえません。しかし、速読の理論を知らない人が自分の読む癖やその強さ、自分の速読の習熟度に合った正しいトレーニングを行うことは非常に困難です。誤ったトレーニングをすると、さらに変な癖がついてしまい、英語力そのものにも悪影響を及ぼす恐れもあります。
Max Reading(英語脳トレジム/英語速読)では、一人ひとりの英語力に合ったテキストを使い、それぞれの読み方の癖や成長度合いに応じ、適切なトレーニングを行います。
そして、月に20回以上開催している体験セミナーでは、約1時間の英語速読のトレーニングで、読解スピードが平均1.8倍になる即効性や読み方の変化を体感できます。
まずはお気軽に体験セミナーにご参加ください。
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