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英語長文読解に自信を持って挑むための勉強法‐時間内に正解を導き出すコツは


英語の資格試験や検定試験、大学入試など、多くの試験で長文読解問題が出題されますが、「長文を理解できない」、「正解につながる情報を見つけ出せない」など、苦手意識を持つ人もいるでしょう。また、時間制限があるため焦ってしまい、実力を発揮できない場合もあるかもしれません。長文を読んで設問を解くにはいくつかのコツがあります。問題のパターンに応じて読み方と解き方を繰り返し練習すれば、自信を持って挑めるようになるのです。ここでは、長文読解問題の攻略法を分かりやすく紹介します。

 英語長文が苦手になる理由

英語長文が苦手な理由としては、以下のようなことが考えられます。

  • 英語力がない
    語彙(ごい)力や文法力が足らず、一語一句読み進めていって知らない単語や文法があると立ち止まってしまう、もしくは返り読みを繰り返す。
  • 全体の内容を把握できない
    一文が長いと、全体構造が分からず意味がつかめない。また、一文一文にこだわって読み進んでいくため、全体の内容を把握できない。
  • 長文の内容は理解したのに問題が解けない
    長文の内容を理解したはずなのに設問の正解を見つけられない、もしくは時間不足で解答できない。
  • 長い文章の塊が苦痛に感じられる
    長文を前にすると反射的に苦手意識が働き、苦痛に感じる。長文にどのように向き合えばいいのか分からなくなる。
  • 読むのが遅い
    読むのに時間がかかるため、進んで読みたいという気持ちが起こらない。読まざるをえないので読もうとするが、気持ちに焦りが出て集中できない。それにより余計に読むのが遅くなるという悪循環に陥る。

以上のことが示すように、英語力があっても、長文という文章の塊に対する無意識下の抵抗感や、時間が足りなくなるという焦りから、自分は長文が苦手だと思い込んでいる場合があります。

この場合の解決策として「速読力」が役立ちます。それだけではなく、速読力はその他の理由の解決策にもなりえるのです。

真の速読力とは、ただ速く読めるということではなく、読む対象や目的に応じて読むスピードをコントロールできる力のことです。試験では、文全体が意味する内容を理解しながら正解に必要な情報を拾い、時間内に正しく解答できるだけのスピードに調整して読めるようになります。そうなると、長文に対する抵抗感が薄れ、多少知らない単語があっても気にせずに読み進められる、心の余裕が生まれるでしょう。

 

 英語長文読解のコツとは

TOEIC、TOEFLやIELTS、英検などの資格・検定試験や大学入試で大切なのは、「制限時間内」で目標点をとることです。

そのため長文問題では、一言一句誤りなく読み込んで、すべてを漏らさず理解する必要はありません。

受ける試験の問題傾向をあらかじめ研究し、読解の練習を積んだうえで、どのような時間配分で解きどのように目標点を達成するのかという戦略を立てるのが有効です。

TOEICのリーディング(全100問/75分)を例にして考えてみましょう。全問を解ききるには、一般的に下記の時間配分が望ましいとされています。

  • Part 5(短文穴埋め問題:30問) 10分以内
  • Part 6(長文穴埋め問題:16問) 10分以内
  • Part 7(長文読解問題:54問) 55分以内

ただし、目標点や自分の得意不得意によって配分は異なるため、一般的な時間配分に必ずしも従う必要はありません。難しい問題や苦手な問題、時間のかかる問題などは場合によっては捨て、解きやすい問題を確実に正解して目標点を確保する、といった自分の実力に合わせた戦略も重要です。模擬練習する際は、こうした戦略に則った読み方&解き方を意識することが不可欠です。

読解問題の目標は、設問に対する正解を見つけることです。以下のような3ステップで効率よく読み、限られた時間内に素早く正解を導き出すコツをつかみましょう。

 

▶ STEP1:設問を読む

まず、設問に目を通して、その内容とどんな種類の問題なのかを見抜きましょう。長文を読む前に、読む目的(=どんな設問の正解を得るべきか)を自分自身の中で明確にすべきだからです。
問題パターンは、大きく3つのタイプに分けられます。

・文脈問題:全体の大意や文脈から解く問題

・ピンポイント問題:ピンポイントに答えやヒントを探して解く問題

・解釈問題:複数の情報や条件、文脈や常識などから解釈・類推して解く問題

▶ STEP2:解答に必要な情報を理解する

問題を解くのにどのような情報が必要となるのかを頭に入れましょう。ほとんどの場合、文章の概要は把握すべきですが、概要を知るだけで解ける設問、ピンポイント情報のみで解ける設問もあれば、文脈やピンポイント情報(1つor複数)を組み合わせないと解けない設問もあります。

▶ STEP3:長文から効率よく必要な情報を探し出す

英文を読んで概要や文脈を捉え、必要な情報がどこに書かれているのかを探しましょう。

この際、Skimming(スキミング:概要把握)やScanning(スキャンニング:設問の答えやヒントを探す読み方)などの、速読のスキルが役に立ちます。この速読力があればより余裕をもって、問題の性質に合わせて必要な情報や正解をつかむ読み方ができるのです。

具体的には、
1. 文脈問題:Skimming
2. ピンポイント問題:Scanning
3. 解釈問題:Skimming×Scanningの掛け合わせ
で読んで解くと、効率的に長文を読み、かつ効率的に正解を得やすくなり正答率も上がります。

特に、TOEICのリーディングのように、時間の制約が厳しい試験に有効だといえるでしょう。

なお、段落においては、最初と最後の文が重要なトピックセンテンス(その段落の要旨)である可能性が高くなります。全体や段落の概要をつかんだり、文脈問題や解釈問題を解いたりするうえで有効な場合が多いため、念頭に置いておくといいでしょう。

 

 英語長文読解のために必要なこととは

まずは、英語試験のレベルや自分の目標点に合わせた単語力や文法力などの、基礎英語力は必要です。また、対象試験の英語長文問題を読解するのに必要な語彙力や文法力といった「英語リーディング力」も身に付けなければいけません。

さらに、目標点獲得のためには時間配分を考え、解きやすい問題を瞬時に見極めて取り組むというような、テスト全体の戦略も必要になります。このようなコツをつかむためには、過去問や問題集などを何度も繰り返し解いて練習して、慣れることが大切です。

しかし、英語力があって英語読解のコツをつかんだ人でも、制限時間内に解答が間に合わなかったり、焦って本来の力を発揮できなかったりで、正答率が下がってしまう場合もあります。そんな状況を打破するのに役立つのが、速読のスキルです。

速読のスキルが身に付くと、文章内の意味の塊をイメージで捉えて理解することが可能になります。その結果SkimmingやScanningが素早くできるようになり、心に余裕を持って、より多くの問題をより高い正答率で解けるようになるのです。

英語の速読について詳しくは、「英語速読とは?日本人が速読できない原因や効果的な速読向上法を紹介」で紹介しています。

 

 英語長文読解力を身に付ける勉強法とは

長文読解のために必要なことを押さえたところで、実際の英語試験に向けた効果的な勉強法について見ていきましょう。

▶ 英語の語彙力や文法力を身に付ける
  • 語彙力:

    受ける試験の参考書や問題集などから、その試験に必要な単語や文法のレベルがある程度把握できます。語彙力をより高める必要があると感じた場合は、単語の勉強を強化しましょう。

    ただし、「abandon=捨てる」のように、英語と日本語を対にした単語リストで覚えるのではなく、文章の中でその単語のイメージを膨らませながら、使い方も含めて覚えるのが効率的です。

  • 文法力:

    文の構造や語順から意味を把握するうえで基礎の習得は必要です。

    ただし、私たちが普段日本語を読む際に、日本語の正しい文法を意識することがないのと同様に、英語のネイティブ話者は英語を読むときに、英語の文法を意識していません。

    文法の基礎を習得するには、学校で学ぶ英語の文法知識より、多くの良質な文章に触れてその法則性、正しい文法を感じとる学び方が自然です。

▶ 時間を管理しながら、設問に応じた効率的な読み方&解き方を反復練習する 
  • 時間管理:
    家で過去問や問題集などを使って1人で練習する際にも、必ず制限時間を設けて時計やストップウォッチで測るようにしましょう。「限られた時間で解く」ことに慣れていくはずです。
  • 種類別の長文読解:
    先に述べた3つの問題パターンごとの解き方を練習しましょう。不得意な問題パターンを把握し、その対策を重点的に何度も行います。解き方を理解して覚えるまで同じ問題集を2~3回繰り返せば、語彙や表現の復習にもなり効率的です。
▶ 出題分野に関する知識を向上させる

出題されやすい分野の文章を事前に読み、内容に慣れておきましょう。日頃から出題分野に関連する記事を日本語で読んでおくのも効果的です。

▶ 速読の習得を目指し、トレーニングする

速度のトレーニングをしましょう。

前述のとおり、速読力を身に付けることによって、状況や文脈、情景など大意をイメージしながら概要を把握するSkimming、設問の答えやヒントを探しながら読むScanningがスムーズにできるようになります。

英語試験の長文は、パッセージ(いくつかの文でできている意味のまとまり、文章の中の一節)だけでなく一文一文も長い場合が多いのです。そのため、一語一句追って理解しようとすると、「木を見て森を見ず」の状態に陥るリスクが高くなります。森(=全体概要)を俯瞰(ふかん)しながら重要な木(=設問に関係する情報)を見つけるのが肝心であり、SkimmingやScanningといった速読スキルを身に付けるとそれが余裕をもって可能になります。

仮に試験時間が十分余裕がある場合でも、一語一句重要でない木を追い過ぎて森の中で迷子になってはいけません。「広く眺める」をベースに重要な木をゆっくり追っていくSkimmingとScanningで読み、しっかり全体概要と設問と関連する情報を把握しながら、確実に正解を得ましょう。

 英語長文読解はコツと戦略+速読力が有効

長文読解に取り組むには、苦手な要因を把握したうえで、不得意な部分を重点的に何度も練習してコツをつかむことが大切です。また、得意な問題パターンで確実に正解して目標点を目指す戦略もあります。

いずれにせよ、限られた時間内で長文の概要をつかみ、解答のポイントとなる部分を見つけ出すためには、「目で広く捉える」×「脳でイメージ理解する」という速読トレーニングが有効です。

英語速読のコツやトレーニング方法については、以下のページもご参照ください。

―英語速読のコツについて知りたい方はこちらから
英語速読のコツと本質

―英語速読についての具体的なトレーニング方法が知りたい方はこちらから
英語速読力を高める効果的なトレーニング法―読まずにイメージで捉えるには?

 

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